不良廃却品


不良廃却品が”無かったこと”に!?
━━コスト削減の中身、それ「改ざん」かもしれません。
■問題点
製造現場で発生した不良品や廃却品━━
本来なら正しく処理・報告され、記録に残すべきものです。
しかし、悪質な現場ではこうした行為が行われることがあります。
・廃却品の記録を削除または改ざん
・実際に廃却した数量をごまかし「廃却が減った=歩留まりが改ざんされた」と嘘の報告
・結果、帳簿上のコストが削除されたように見える。
これらはすべて、不正なコスト削減アピールであり、改ざん行為です。
どこが問題点?
●信用失墜と企業全体の統制崩壊
・データを正確に残すことは、品質・工程・原価管理の基本
・不良や廃棄を隠すことで、原因の把握や改善活動ができなくなる。
・企業全体としての”モラルハザード(倫理の崩壊)”につながる。
●虚偽報告による組織内の”出世競争”
・実績を偽って報告した人物が評価される。
・正直に報告した現場が「無能」と見なされる
⇒現場に「隠せば得をする」空気が広がる。
●製品安全性・顧客信頼への悪影響
・廃却すべき不良品が、隠蔽のためラインに再投入されるケースも・・・。
⇒消費者事故・リコールに発展すれば、企業存続の危機
罪に問われる可能性は?
●有価証券報告書・経理データの虚偽記載(上場企業)
⇒金融商品取引法違反(※粉飾決算として)
●私文書偽装・業務妨害・背任など(刑法)
⇒実際の在庫や損失を偽ることで、企業に損害を与えた場合
⇒会社への背任行為として、懲戒解雇・刑事告訴の対象に
●労働契約法違反(誠実義務違反)
⇒従業員は使用者に対し、誠実に業務を行う義務を負っている。
⇒指示があった場合でも「明確な違法性」があれば拒否すべき
労働基準法との関係は?
直接的な罰則はありませんが、
「データ改ざんを強要されていた」場合はパワハラ要素として争点になり得ます。
また、現場の人間が「ミスを隠さざる得ない雰囲気」に追い込まれていた場合、
”安全配慮義務違反(過剰なプレッシャー)”として会社の責任も問われます。
まとめ
【問題点】
不良・廃却品の虚偽記録、隠蔽、実績の偽装
【コンプライアンス】
虚偽報告、会計不正、倫理違反
【法的リスク】
私文書偽造、背任、誠実義務違反など
【本質】
「改善されたように見せる」ための改ざんは、改善ではなく犯罪です。
”ごまかした実績”は、いずれ本物の信頼を失う。
コストを削ったつもりが、信用と未来を削っていた━━
そんな企業にならないように。

